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ISS多目的補給モジュールラファエロ

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スペースシャトル固体ロケット上部

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スペースシャトル コロンビア

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STS-104 アトランティス打ち上げ

 

マーズ・オデッセイSol 505-549 ついに捕獲

Sol 505

MAVに入ってシステムチェックを済ませ、起動。MAVが生命維持環境になるのを待つ。

MAVには通信回線があり、久しぶりにNASAとの通信が可能なる。

水を無駄にするな、尿を捨てるなとNASAから指示が届く。理由は、この後の作業に大きく影響するからです。

MAVは火星の低軌道にのるように設計されている。それに必要な速度は4.1km/s。しかしヘルメスのフライバイは5.8km/sです。ヘルメスに到達するためにMAVを軽くする必要があります。同時に、燃料を何とかして増加させる必要もあります。

JPL(ジェット推進研究所)からの指示書によると以下のようになります。

MAVは元々19397kgの燃料を火星で生産できる水素を持ってきている。水素1キロで燃料13キロが製造できます。ワトニーが持っている550リットルの水を電気分解して60キロの水素をつくる。その水素から780キロの燃料を作る。これで300キロのペイロードを増やせる。

*水電気分解とサバチエ反応を利用したメタンの生成だと思いますが、生産量が合わない。生産効率の問題か?

打ち上げ重量は12600キロ強、燃料が増えても7300キロしか打ち上げできない。そのためMAVから5000キロ以上取り除く案がJPLから送られてきた。

・ 火星サンプル500kg

・ 乗客が6人から1人に減った(スーツと装備を含む)500kg

・ 加速カウチ5つ、重要でないギア、医療用キット、工具キット、船内装備、ストラップ、その他固定されていないもの。

固定されているものでは、生命維持系全部(EVAスーツを着用するため不要)・・・タンク、ポンプ、ヒーター、エア・ライン、CO2吸収システム、船殻内部断熱材

MAVをヘルメスから遠隔操縦するためEVAスーツ着用でも大丈夫らしい(通常は無人で遠隔操縦着陸)。有人宇宙船を遠隔操縦した前例はない。

・5つあるバッテリーうち3つ、予備の電力系統、予備スラスター、第二、第三コム・システム(バックアップコムなしで遠隔操縦)。もし上昇中にコム・システムが壊れたら、再補足に時間がかかりすぎて手遅れ(その場合には失敗)、バックアップシステムは不要。

・ 船首エアロック400kg、窓、船殻パネル19 (穴をハブのキャンバス地でふさぐ)

・ 与圧室の奥のパネル、補助燃料ポンプ、第一ステージエンジン

失敗の想定確立4パーセント

Sol 548

ヘルメス側でも人工重力を作り出すための宇宙船の回転を止めて、捕獲の準備を完了

MAV側準備完了、打ち上げは明日。

誤差は予定ルートの1メートル以内、予定速度の2cm/s以内

これまでの改造により打ち上げ時のGは12ぐらいになるようです。

Sol 549

世界中が見守る中、MAV上昇、メインエンジン停止、(目標高度よりかなり低いらしい、速度問題なし)

ヘルメス側では、レーダーで周期的に位置確認、最終軌道を計算

計算結果、捕獲速度は11m/s、捕獲距離は68km、捕獲までの時間は39分12秒

ここからは、イオンエンジン、姿勢制御スラスター、EVAスーツのグローブに穴(リークさせて推進)、ヘルメスVAL爆破で29m/sの加速・・・

注)VAL: Vehicular Airlock、小説には書いてありませんが船外活動用のエアーロック

最終的に、ヘルメスとMAVの 距離は22メートル以内、相対速度は12m/sに

最後は、有人起動ユニットMMU(Manned Maneuvering Unit)を利用して加速、テザー(紐を利用)も併用

速度ゼロ、捕獲

2人がエアーロックに、ドア閉鎖、(上昇中Gで失神、肋骨2本骨折)

ヒューストン、そして世界中で歓声・・・

ミッションデイ687(地球時間、火星時間Solでのカウント終了)