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ISS多目的補給モジュールラファエロ

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スペースシャトル固体ロケット上部

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スペースシャトル コロンビア

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STS-104 アトランティス打ち上げ

 

月宮一号 105日間3人の居住実験終了

5月21日 IB Timesによると、中国人のボランティア3名が105日間の居住実験を完了したというニュースが流れていました。 (ブログ中の画像はすべて外部サイトへのリンクです。)

施設「月宮一号(Yuegong-1)」は北京の北京航空航天大学にあり、 モジュールの容積は500 m3でキャビン、2つの植物栽培室からなる。

キャビン 14 x 3 x 2.5 = 105 m3

植物栽培室I・II 10 x 6 x 3.5 = 210 m3

キャビンは個室(単語から類推すると)、共有スペース、バスルーム、廃棄物処理室、昆虫飼育室からなる。

2つの植物栽培室は異なる温度と湿度に制御され、5種類の穀物、15種類の野菜(大豆、ピーナツ、ピーマンもしくは唐辛子、ニンジン、トマト、コリアンダーなど)、1種類のフルーツが栽培され、ゴミムシダマシの幼虫が飼育されて、食料を供給したようです。写真を見ると植物栽培にはLEDを利用しています。

世界で最先端の生物再生型生命維持システムの1つと書いてあります。

世界で3番目の、中国初の施設だとも書いてありました。

(1番目はソ連だったとしても2番目はどこなのか?米国、日本、欧州にも施設はあったのだが)

生物再生型生命維持システムは、人間が出した排水や二酸化炭素を利用して植物を育て、植物が生産した酸素を人間が利用します。

2004年に26人の科学者で研究を開始し、10年かけてここまで到達したようです。

この研究グループには2008年にモントリオール、2010年にはブレーメンで会っていて、生物再生型生命維持システムの構築を目指しているのは知っていましたが、ここまで到達しているとは知りませんでした。

別の記事には、ここに到達するまでに使用した資金は約3百万ドルと書いてあったので、先進国の10分の1ぐらいの金額しか使用していません。

食料生産については、どのくらい自給できたのか、実際の数字を見て判断する必要があります(食料生産に必要な面積や人手を考えると、そんな簡単にはできない)。

いま、生物再生型の研究を継続して?やっているのは中国だけです。

1990年代は日米欧が競って生物再生型の研究を進めていましたが、大規模な全体施設を用いて継続している国はありません。なぜなのか、その理由を考える必要があります。

この研究で、唯一新しいことは、タンパク質補給のために、昆虫を施設内で育てて食べたことです。ただ単に昆虫を食べただけではなく、再生系に昆虫を組み込んだことは今まで他の国がやっていないことだと思います。

今回、様々な関連ニュースを読んでいて気が付いたのは、宇宙先進国から見たら実験の内容に目新しさはないのに、注目されているのは、世界第2位の経済大国中国がやっていて、本当に将来月面基地を作る可能性が高いからだと思います。